ナルコレプシーとは

日中の過度の眠気、起きている時間帯に自分では制御できない眠気が繰り返される睡眠障害や身体の力が突然抜けてしまう情動脱力発作を症状とした病気のことです。

余命などに関わることはありませんが、突然の眠気や脱力が起きてしまい、生活や仕事に支障を来たし、自動車事故やその他事故のリスクが多く考えられます。

睡眠について

普段の睡眠ではレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)を繰り返しながら脳や身体の疲労とストレスを回復しています。

レム睡眠は身体の疲労回復、ノンレム睡眠は脳の疲労を回復する役割がそれぞれにあり、その両者がバランス良く睡眠が取れることで私たちは日々の生活を送れています。

しかし、ナルコレプシーは、レム睡眠のタイミングとコントロールに異常が起こる病気です。

その為、眠りが浅い状態が続くことで「鮮明な夢を頻繁に見る」「筋緊張が低下し、力が入らなくなる」「睡眠麻痺(金縛り)」などといった症状が起こり、脳の回復が出来ないまま日中を過ごすため、集中力がない状態が続いたり、酷い眠りに襲われたりします。

ナルコレプシーの原因

ナルコレプシーの原因は脳内から分泌される「オレキシン」という神経伝達物質(ホルモン)の分泌量が減少したことにより、睡眠障害が起きてしまします。

オレキシンは、脳の視床下部という場所から分泌されています。分泌されたオレキシンを、脳のさまざまな場所にある受容体が受け取ると、脳が覚醒した状態となります。
反対にオレキシンの分泌が減少すると、受容体にオレキシンが届く量が減り、脳が睡眠状態へと促されます。このようにオレキシンの分泌量によって覚醒と睡眠がコントロールされています。

健康な人の場合は通常、日中はオレキシンが分泌され覚醒していますが、ナルコレプシー患者の場合、何らかの原因でオレキシンが分泌されなくなったり、不足してしまったりするため、強烈な眠気などの症状が起こってしまうのです。

ナルコレプシーの症状

日中の過度の眠気

多くの場合は睡眠を充分に取っていても眠気が取れません。

時刻を問わず前触れがなく突然、コントロールできない眠気(睡眠発作)に襲われます。

頻度:発作は1日に何回も起こることもあれば、2・3回しか起こらない日もあります。

発作時間:睡眠発作は通常2~3分以下ですが、長い時は数時間酷い眠気に襲われることがあります。

夜の睡眠は覚醒と鮮明な怖い夢を見ることで中断されることが多いです。

情動脱力発作

日中起きている時に

様々な感情(怒る、笑う、泣く、悲しむ、驚くなどで)が引き金となって意識はそのままで突然筋力低下が起きてしまう。

症状としては、突然腰や膝の力が入らなくなり、地面に倒れたり、持っている物を落としたりする。顎が垂れ下がり、顔の筋肉が引きつり、目を閉じたり話の内容が不明瞭となります。

睡眠麻痺

いわゆる「金縛り」の状態になることが多くあります。

自分の意識とは別に身体が動かせなくなり、恐怖状態に陥ることが多いです。

ナルコレプシーの検査

①睡眠ポリグラフ検査(ポリソムノグラフィー)

現在は、脳波、筋電図、心電図、鼻の空気の流れ、酸素飽和度、胸・脚の動きなどをひと晩で調べるのが一般的です。これは、さまざまな夜の睡眠障害がないことを確認するために行います。睡眠の状態を脳波と目の動きで判定するのは、覚醒度が脳波の波の形(周波数)と相関しているからです。

②睡眠潜時反復テスト(MSLT)

①の検査を行った翌日の昼間に動揺の検査を数時間おきに20分~30分ずつ繰り返すものです。

①、②の検査を行うことでナルコレプシーに特徴的な睡眠のパターンを持っているかどうかを調べることが出来ます。この結果と症状の特徴から診断することになります。

現在の病院(西洋医学)でのナルコレプシーの治療

現在の病院ではナルコレプシーの根本的な治療は確立されておりません。

現在の治療は主に薬物療法が主流となっていて、投与する薬剤は症状毎に使い分けられております。

但し、それらの薬剤にはそれぞれ副作用があり頭痛、発汗、食欲減退、便秘や排尿障害あるいは肝障害が起こることがあります。

長期間に渡る服用で薬剤に対する慣れや依存のはじまりのような状態が生じることがあります。

日中の過度の眠気に対して

リタリン(塩酸メチルフェニデート)、ベタナミン(ぺモリン)などの精神賦活剤が処方されてます。ただし、これらの薬を夕方以降に服用すると夜間中の睡眠障害になる恐れがあります。

情動性脱力発作・睡眠麻痺に対して

アナフラニール(クロミプラミン)、トフラニール(イミプラミン)などの三環系抗うつ剤を処方し、症状を抑えて行きます。

当院(現代中国医学)でのナルコレプシーの原因

➊脳内血流不足:脳内の血流が不足している為、睡眠中枢や細胞に栄養が供給されずオレキシンの分泌量が減少してしまう

➋自律神経の乱れ:過度なストレスや疲労により脳の細胞が興奮状態が続いたことで脳の神経細胞が損傷されてオレキシンの分泌量が減少してしまう

当院(現代中医学)でのナルコレプシーに対する治療

鍼灸治療

頭鍼:脳細胞、脳の神経回路の再生・活性化に有効なツボ処方と刺鍼方法で鍼の効能を最大限に発揮出来るように1人1人に合わせたオーダーメイドの治療方法となっております。

電気鍼:適切なツボに対して更に電気の刺激を継続的に加えることで再生・活性化を促進することが出来ます。電気の刺激は患者様に最適な刺激量を調節出来るので痛みや怖さは全くありません。

全身鍼:それぞれツボの働きを最大限に利用し、身体の本質を改善して自分自身の治す力を促します。

飲む漢方治療

一人一人の症状や病気の重さに合わせて脳細胞・神経回路の再生・活性化を促進する為の漢方薬をオーダーメイドで作ることが出来ます。