神経障害の症状は?
手足のしびれ・痛み・感覚の鈍麻・下痢や便秘を繰り返す・立ちくらみ・味覚が鈍くなる・発汗異常・足の壊疽・突然死の原因。
どうして神経が侵されるのか?
高血糖が続くと、体内の余分なブドウ糖のために細胞の活動メカニズムが狂い、やがて神経が障害されてしまいます。
さらに、高血糖により細い血管の血流が悪くなり、神経細胞が必要としている酸素や栄養が行きわたらなくなり、神経障害は起きてきます。
糖尿病の神経障害はからだ全体に関連してくる病気なのか?
神経障害はからだ全体に悪影響をおよぼします。
まず、多いのは
手足の末端の痛みやしびれ・足の裏に薄紙が貼りついたような感覚鈍麻・足先から膝へ手先から肘へと広がっていきます。
次に自立神経障害ですが,下痢や便秘・不整脈・発汗異常・尿意を感じず排尿できない・立ちくらみ・インポテンツそのほか
顔面神経麻痺・一方の目が動かなくなる
神経障害を放置するとどうなりますか?
糖尿病による神経障害を放置すると次のような深刻な状態に陥ります。
<手足壊疽・切断>
神経そのものが麻痺してしまうことで、痛い、熱いという感覚が失われます。そのためケガやヤケドを気付かずに悪化させ、潰瘍や壊疽へと進行させてしまいます。とくに足は壊疽になりやすく、場合によっては壊疽部分の切断を余儀なくされます。
<無痛性心筋梗塞>
心筋梗塞あるいは狭心症になると激しい胸痛があるのが普通ですが、心臓の神経が障害されるとそれを感じません(無痛性心筋梗塞)。そのため治療が遅れて、死につながるような大きな発作に突然みまわれる危険性が大きくなります。神経障害があるときには症状が軽いようにみえても、実際は重大な病状になっていることが少なくないです。
<突然死>
神経障害があると無自覚性低血糖による意識喪失、無痛性心筋梗塞による発作のほかにも、致命的な不整脈や呼吸の停止を起こしやすくなり、突然死の危険が高くなります。
<無自覚性低血糖による意識喪失>
低血糖になってもからだがそれに反応せず、血糖値を上げるホルモンが分泌されなくなります。また、冷汗、手足のふるえ、どうきなどの症状が起こりにくく、低血糖の警告症状なしにすぐに意識がなくなりますので、非常に危険です。
<低血糖・高血糖を繰り返す>
自律神経障害により消化管運動のリズムが乱れると食べたものの吸収が一定せず、インスリン注射をしている場合は、食後、血糖が上昇してくる時刻とインスリンが効いてくる時刻のタイミングが合わずに、低血糖、高血糖を繰り返すことになります。同時に食欲もなくなりがちで、さらに血糖コントロールが難しくなります。