自閉症スペクトラムとは
自閉症スペクトラムとは、一般的に「自閉症」「アスペルガー症候群」を含めた広汎性発達障害が含まれています。対人とのコミュニケーションや言語、認知的発達の遅延等があげられますが、その症状は人によって重さが異なり、症状によっては社会的生活に困難を引き起こしてしまうことが多いです。
自閉症スペクトラムの症状
対人コミュニケーション障害
言葉を用いたコミュニケーションについては以下のような特徴があります。
- 話し言葉が遅れている
- 「おうむ返し」が多い(エコラリア、反響言語とも言われます)
- 話すときの抑揚が異常である
- 言語による指示を理解できない
- 会話をしていてもかみあわない
- 敬語が不自然である
- 皮肉を言っても通じず、たとえ話がわからない
また自閉症スペクトラムの人は、言葉を用いない(非言語的)コミュニケーションにおいて以下の特徴があります。
- 身振りや指差し(体の動き)が理解できない
- 目線、眼差し(目の動き)が理解できない
- 言外の意味が理解できない
- 話の文脈が理解できない
想像力とそれに基づく行動の障害
- 特定の物事に対して強い興味をもつ
- 特定の手順を繰り返すことにこだわる
- 常同的な動作を繰り返していく
- 興味をもった領域に関して膨大な知識を持つ
以上のような強いこだわりを持った症状が出ることが多く、生活に支障をきたすことがあります。
自閉症スペクトラムの原因
自閉症スペクトラムの原因は主に※1.脳高次機能を担う※2.神経回路の異常に原因があります。
※1.脳高次機能:脳の中で精神・記憶・感情等を含めた情報処理
※2.神経回路:脳内で情報を送る為のネットワーク
人間の脳細胞が約140億個存在し、神経回路はその脳細胞同士が密に情報を交換する為のネットワークを張り巡らせています。脳細胞の発達と共に脳細胞同士が情報を交換し合う為のネットワークが複雑に出来上がることで、様々なことに対して知識を深めることが出来、言葉が理解出来たり、コミュニケーションや感情が備わって行きます。
それらのネットワークは脳内だけの栄養だけでなく、外界つまり、対人などの刺激で更に発達し合うことでより強固な高次機能として獲得することが出来ます。
しかし、自閉症スペクトラムの場合は、場所によってそのネットワークが出来上がっていなかったり、作られすぎたりすることで「形成異常」が原因で引き起こされます。
多くの場合は、高次機能が発現するときに異常が見つかることが多いです。
西洋医学の自閉症スペクトラムに対する治療
現在の日本の病院での治療は以下のような薬剤での治療を中心に行っていますが、根本的治療ではなく、副作用もあります。
一時的に症状を和らげることや精神を落ち着かすことを目的に行っています。
・中枢刺激薬:長時間作用型メチルフィニデート(コンサータ)
・選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬:アトモキセニン
・感情安定薬:リチウム、カルバマゼビンなど
・抗てんかん薬:カルバマゼビン、バルプロ酸など
・抗精神病薬:リスベリドン、アリビブラゾールなど
・抗うつ薬:選択的セロトニン再取込阻害薬など
・抗不安薬:ジアゼバムなど
当院における自閉症スペクトラムにおける治療
当院の治療の目的は脳内にある神経回路(脳細胞同士を繋ぐネットワーク)を新たに正しく構築させることで社会的コミュニケーションを含めた脳内での情報処理を円滑にすることで根本的治療を行い、完治することを目的に治療を行っています。
当院の治療内容
鍼灸治療
頭鍼:脳細胞、脳の神経回路の再生・活性化に有効なツボ処方と刺鍼方法で鍼の効能を最大限に発揮出来るように1人1人に合わせたオーダーメイドの治療方法となっております。
電気鍼:適切なツボに対して更に電気の刺激を継続的に加えることで再生・活性化を促進することが出来ます。電気の刺激は患者様に最適な刺激量を調節出来るので痛みや怖さは全くありません。
全身鍼:それぞれツボの働きを最大限に利用し、身体の本質を改善して自分自身の治す力を促します。
飲む漢方治療
一人一人の症状や病気の重さに合わせて脳細胞・神経回路の再生・活性化を促進する為の漢方薬をオーダーメイドで作ることが出来ます。
症例紹介 広汎性発達障害(自閉症・アスペルガー症候群) 寺本くん(小学生男児)

写真は全て当院待合室で撮影 左:盧華院長 中央:寺本君とお母様 右:横山鍼 写真は当院待合室 左:盧華院長 中央:寺本君とお母様 右:横山鍼灸師
写真は全て当院待合室で撮影 左:盧華院長 中央:寺本君とお母様 右:横山鍼灸師
*初診時の様子*
寺本君は当院へ通われている患者様のご家族様よりご紹介いただきました。
症状:小学校へ通うことが出来ず行けたとしても家族付き添いして週1日。
学校での会話が出来ない。(話が通じない)
学校での自発的な問いかけはなく、受け身の会話のみ
学校での発語は「はい」と「いいえ」「違う」のみ。
怒り出すとすぐに0から100までいく。我慢が出来ない。
なんでも嫌というしその理由付けをしてくる。
家の中は自分の部屋にこもりきりで居間などには行かない。
*治療*
来院しての鍼灸治療 特殊な電気波形、つなぎ方
ご家族様は本人が嫌がり、鍼が受けられないこともあるのか不安とのことでしたが、治療はスタッフが声かけして怖くないように、痛みが出ないように工夫して行いましたので、寺本君は治療を順調に受けることが出来ました。
*経過*
早い段階で言葉が増える:以前は「うん」などしか返ってこなかったが、長文で返事が返ってくるようになる。
自発的な問いかけをしてくるようになる:今までは受け身の答えしかできませんでしたが、自発的に質問をしてきたりするようになりました。
家の中で自分の部屋にこもっていることが多かったが皆がいる居間などに出てくるようになった。
ご本人も鍼に行ってからの体調の変化を感じられるそうで、通院も楽しみになっていきました。
小学校へは定期的に通学できるようになりました。
写真は当院治療室で撮影しました。
写真左:横山鍼灸師 右:盧華院長 中央:寺本君
*治療効果*
怒りを感じた時に0からすぐに100へいってしまうことがなくなり、0から20くらいまでで我慢できるようになりました。
学校へ行っているときのほうが症状があるので、毎日付き添いもなしで通学できることを目指しています。
今後も完治を目指し目標に向けて治療を続けられます。
症例紹介 発達障害 美奈様
* 初診時の様子 *
3歳の美奈様は発達のおくれが少しあり、病院での治療法も無く悩んでおりました。なんとか人並みの生活を送れるようにとオステオパシーなどのいろいろな治療法を試されていました。
初診時には鍼治療の際は怖がる様子や痛がる様子もなく、よく物事についての理解をしていない印象を受けました。
・発語は「はい」のみ
・足の動きが少しスムーズではない
・背骨のゆがみがあり姿勢が悪い
遠方にお住まいでしたので、集中治療で通いました。初診時には治療を受けることを決めておりましたので、来院時に問診をしてすぐに治療を開始しました。
* 治療内容 *
発達障害を根本から治療するための鍼治療
鍼に電気を通す特殊なつなぎ方の電気治療
初めての集中治療後から症状の改善が見られて今まで「はい」以外なかった発語が見られるようになりました。
絵本の文章をすべて暗記しており、ゆっくり音読できるようになりました。
また、走り回ったり、落ち着きがなかった動きもゆっくりと歩けるようになったり、変化がみられました。
理解できることも増えて、感情面でも悲しんだり、嫌がったり、怒ったり等の意思表示ができるようになりました。また表情も大変豊かになりました。
鍼灸治療をする先生に対して、対話は初診時にはできませんでしたが、「バイバイ」というと、「バイバイ」と手を振ってこたえてくれるようになりました。
鍼治療が進んでから相乗効果に期待して漢方薬も飲み始めました。また普通学級の幼稚園へ進級することがもとから決定しており通園が始まりました。これからのさらなる改善に期待して集中治療と漢方薬治療を続けていきます。
症例紹介 自閉症スペクトラム・ADHDなど様々な症状 瑞光奏様(作家・30代男性)

(左)盧華院長(中央)瑞光奏様(右)横山鍼灸師
約20年前から「強迫観念」「対人緊張」などが酷くなり、精神科への診療を続けていました。
医師からは「自閉症スペクトラム」「ADHD」「適応障害」「対人恐怖症」「強迫性障害」など、様々な病名を診断され、大量の薬を処方続けており、10年前に逆流性食道炎に羅患したことを皮切りに頚や肩の激しい凝りや違和感、遅発性ジスキネジア、不眠、腹部膨満感、ふらつき、頭痛や眼痛、耳鳴り、手足の冷えや頭ののぼせ、多汗、疲れやすさ、腰痛(15分も歩けない)などのありとあらゆる不定愁訴が次々と出現し、日常生活に支障を来たすようになり、西は神戸から東は東京までと様々な治療へ通うも一時的な効果しか出ず、苦しい日々が続いていました。
2011年秋のある日、「マイライフ新聞」で大龍江中国医学センターのことを知り、それらは脳の神経伝達の不具合による症状による症状であり、また自覚症状も強かった「発達障害」の完治・改善も可能であると盧華院長から説明を受け、自分自身や家族、恋人との将来の為にも「根本治療」が必要だと強く認識し、鍼灸・漢方治療を開始致しました。
当院での治療
鍼灸治療:頭鍼⇒脳の神経回路を再生、促進させる
安神の鍼⇒精神を落ち着かせる
不定愁訴に対する鍼
電気鍼⇒興奮している神経を落ち着かせたり、神経の再生・活性化を促進する
飲む漢方治療(当院オリジナル)
治療開始当初は精神的に不安定なことが多く、自分自身の感情を抑えることが出来ず家族や周囲の人たちに対して怒りをぶつけてしまったり、人との会話が怖くて会話が噛み合わなかったり自分の思っていることを伝えれないことが多くありました。
現在では多くの症状は落ち着いて肩こり、腰痛といった多くの不定愁訴の症状は無くなりました。
周囲とのコミュニケーションも今では楽しく会話をすることが出来て、周囲の人や家族が見ても変わったと言われるようになりました。
強いこだわりも今は人並みに実感できています。今では趣味や本を出筆したり、生活に不自由無く日常を過ごせるようになりました。
現在も治療を継続しており、更なる改善と完治を目指しています。
症例紹介 発達障害 (優ちゃん 4歳 男児)
優ちゃんは自分で話している声が頭の中で響いてしまい、話すことは可能ですが発音が少しうまくいっていない状態でした。
鍼を怖がることはなく治療はスムーズでした。
症状は治療により消失し、発音も上手にできるようになりました。
症例紹介 発達障害 (由良さん 男児)
由良さんは発達障害があり、自分で食べ物を食べたり水を飲んだりすることができず、鍼灸治療をしておりました。
食べてはいけないものを食べてしまったり、鍼治療の際にも決まった形でしか受けることができずに、工夫して治療をしておりました。
治療開始からしばらくして症状の変化が見られ、卒業される頃に幼稚園へ入園されましたが、1日のスケジュールを他のお子様とともに過ごすこともできるようになりました。
食べ物を食べたり水を飲んだりすることも問題なくできるようになりました。
