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重症筋無力症とは

西洋医学的観点

重症筋無力症とは、神経接合部(神経と筋肉の間)の信号伝達が障害される自己免疫疾患で、筋力低下を引き起こします
全身の筋力低下、易疲労感が出現し、特に眼瞼下垂(まぶたが垂れ下がる)、複視(物が2重に見える)など,眼を開けにくい症状をおこしやすく、日内変動(朝は症状が軽く、夕方に重くなる)をおこすのが特徴です
嚥下が上手く出来ない為、誤嚥性肺炎を伴う場合もあり、重症化すると呼吸筋の麻痺をおこし、呼吸困難を来すこともあります
20~40歳の女性に多くみられますが、どの年齢層の男女にもおこり、稀に小児期に始まります

原因は、神経筋接合部の筋肉側に存在するいくつかの分子に対して自己抗体が産生され、神経から筋肉に信号が伝わらなくなるために筋力低下が起こります
自己抗体の標的として最も頻度の高いのがアセチルコリン受容体になります
しかし、なぜこのような自己抗体が患者体内で作られているかは、よくわかっておらず、抗アセチルコリン受容体抗体を持つ患者さんの多くに胸腺の異常(胸腺過形成・胸腺腫)が合併することにより何らかの胸腺の関与が疑われています

西洋医学による治療法は、胸腺の異常として、胸腺腫を合併する場合はまず外科的にこれを取り除きますが、早期に発見された場合は一括切除でき、予後も良好です
胸腺の異常でない場合、コリンアステラーゼの活性を抑え、神経末端から放出されたアセチルコリンの作用を増強させる治療を行います
アセチルコリンを分解しているのはコリンエステラーゼという物質です
免疫抑制薬として副腎皮質ステロイド薬やアザチオプリンなども投与されます

クリーゼといって、治療中に症状が急激に悪化することもあり、これには、筋無力症自体が悪化し重症化する場合と、抗コリンエステラーゼ薬の過剰投与で症状が悪化する場合の2つの可能性があります
作用時間が短い抗コリンエステラーゼ薬を投与すると、重症筋無力症が悪化している場合は症状が改善しますし、薬剤治療の過剰で症状が悪化している場合は一時的に症状が悪化します
生活上の注意としては、過労やストレスのかかるような生活は避けるように注意します

現代中医学的観点

この病気は『重症肌无力』という病気に属します。

原因:気滞血瘀証、脾腎両虚証、肌絡萎軟証等があげられています。

治則:健脾補腎、通絡化瘀

当院の重症筋無力症についての治療法

1.オーダーメイドで飲む漢方:漢方煎じ薬、漢方カプセル、粉漢方(オーダーメイド中国の漢方薬)

2.鍼:症状の出てる力が入りにくい筋(眼瞼や頚部)に対してパルス(鍼通電)で刺激を与え、重症筋無力症に有効なツボ処方とオーダーメイド刺鍼方法で鍼灸効能を最大限に発揮出来るようにしています。

3.漢方外用浸透法(当院オリジナル):当院長 廬華が漢方薬生薬から一人一人当症状に合して、漢方作の作用と浸透性を生かし、考案したオーダ―メイド方法中国漢方を使用

・上記の方法は日本にないので、皆さまはイメージしにくいと思いますが、お気軽にお問い合わせ下さい。

重症筋無力症患者様症例紹介

 

 

左:豆田鍼灸師 中央座位:K様 左:廬華院長

瞼が重くなり、病院にて検査した結果、重症筋無力症と診断。当院の㏋を見て来院。

来院時の症状:眼の周辺の筋肉の麻痺日曜日よる瞼の重量感(眼瞼下垂)

首の筋力低下で頭が前に倒れる(頭部下垂)

鍼治療の結果:瞼の重さも無くなり、首の筋力低下も改善されました